希望年収が語ってしまうこと

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希望年収は語る

転職を考える上で、必ず設定しなければならないものがある。

希望年収だ。

転職サイトや転職エージェントへの登録時に設定するが、どうせ最終決定は、契約時に決定するのだからと軽く考えてはいないだろうか。

登録時に設定した希望の年俸額次第は、出会いの可能性は変わってくる。

だから注意が必要だ。

希望年収の設定は戦略決定の一要素

求人企業や転職エージェントが転職希望者を探している時、つまり設定した条件で検索するスクリーニングするふるいに掛ける)時、あなたが設定した希望年収の多寡たかが結果に影響することは、直ぐに判るだろう。

希望年収を下げてもチャンスは増えない

ひょっとしたら、年俸の希望金額は低ければ低いほどチャンスが大きくなる、或いは、スカウトされる可能性がある、と思い込んではいないだろうか。

この場合、あなたは、企業は、採用活動で、「転職希望者の希望年収を一定金額以下と」設定して、スクリーニングしていると仮定していることになる。希望年収額が400万円以下で検索だとか、550万円以下で検索だとか、1000万円以下で検索と云った具合である。

一部の企業や職種では、一定額以下という設定をしているかもしれないが、大勢たいせいでは無いはずだ。通常は一定の範囲レンジで検索するはずだ。

あなたが、賃貸で住宅を借りることを想像してもらいたい。

遊びを持たせて下限以下は切り捨て

住宅供給の下限金額しか予算が無ければ、いくら以下という設定で住居を探すかもしれない。例えば、都心で予算が4万円。地方なら一軒家すら借りられる予算かもしれないが、都心では、ワンルームマンションすら厳しい。築何十年ものアパートが関の山だろう。このような状況なら、4万円以下という設定にならざるを得ないかもしれない。

ところが同じ都心でも、あなたに予算が10万円あったとする。すると、7万円から8万円くらいの物件を借りたいと思うかもしれない。

その時、あなたが賃貸住宅を探すに当たって、8万円以下という設定にはしないはずだ。ひょっとすると、7万円~8万円という設定にするかもしれないが、それも賢明とは言えない。

遊びの重要性

賃貸住宅の一つ一つがピッタリと金額相応の値打ちがあれば、7万円~8万円という設定で良いかもしれないが、住宅としての価値は、主観的要素が極めて大きい。

近くに商店街が必須の人。近くにコンビニエンスストアがあれば十分な人。駅へのアクセスが重要な人。駅へのアクセスが多少遠くても平気な人。価格による価値は、人によって大きく異なる。

ある人が9万円でも借りたい物件が8万円であったとしても、あなたにはそれよりも6万円の物件でピッタリなものがあるかもしれない。

だからスクリーニングの価格範囲レンジに遊びを持たせる。5万円~10万円と云った具合だ。仮に10万円以下という範囲レンジでスクリーニングすれば物件数の多さに辟易へきえきするだろう。だから有意義な検索を行うため、そしてうんざりしないためにも的確な範囲レンジ設定は重要なのだ。

年収の適正相場

同様に求人企業にも欲しい人材観があり、その人材に妥当な相場が存在し、それに合わせて予算設定する。予算を年収500万円~600万円に設定していたとしても、スクリーニングでは、例えば400万円~600万円、或いは400万円~700万円と云った具合に遊びを持たせていると考えるべきなのだ。

人材観から著しくかけ離れた人材は、スクリーニングで省きつつも、近い人材は実際に会ってみなければ分からないから候補に挙げておくということだ。下限以下は、初めから切り捨てられている。

そして後は優先順位を付けてオファーを出し、会って見て良ければ決めるということになる。

因みに予算より多い金額もレンジに入り得るのは、交渉次第で600万を飲ませられる可能性を見ている場合や余程の人材の場合には社内調整でなんとか予算を拡大しようという可能性を見ている場合だ。実際に、面接で希望年収金額はもう少し下がりませんかと聞かれたこともある。

いずれにせよ、企業は特殊な状況でも無ければ、希望年収を一定額以下と設定して検索サーチする可能性は限りなく小さいということだ。少なくとも読者諸氏の場合にはそうだろう。

従って、希望年収は少なければ少ないほど良いというわけでは無いということは理解されると思う。

希望年収を下げても内定の可能性が上がるとは限らない

面接の際でも同様だ。希望年収を下げれば、内定をもらえるというわけでは無い。

きちんとした名目があれば話は別だが、適正年収から見て、単なる減額希望を出すと、足元を見られてしまう。理由なく価格を下げることに好感を持たれることは無いだろう。

先程の賃貸住宅を考えても分かるだろう。優良物件を理由なく値引きするから入れと言われれば、何かいわくがあるのでは勘ぐってしまったり、不審に思ったりしないだろうか。

理由も分からないまま、単純に値引きされてラッキーと喜べるとしたら、それはそれで問題だ。何か落とし穴があるのではと慎重になるくらいの配慮は欲しい。

希望年収一つ採ってみても、安易に伝達すると、意図せざる意味メッセージを同時に相手に伝えてしまうということだ。

あなたが何も考えていなかったとしても、相手の受け取り方はそう単純ではない。

希望年収については、ざっくばらんに転職コンサルタントに相談してみるのが良い。¶ 転職コンサルタントに希望年収を相談してみる

見当違いのアプローチで時間を無駄にしないためにもプロフェッショナルの意見は聞いておいた方が良い。

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プロフェッショナルたる転職コンサルタントの意見は傾聴すべきだが、1人の転職コンサルタントの言を妄信するのも賢明とは言えない。複数の転職エージェントに登録して、何人かの意見を聞き比べること。当たり前に思うかもしれないが念のために明記しておく。