転職エージェントに登録したい。どうも登録するのは1社では不十分のようだ。でも1社で十分な気がする。
面倒はご免だが、損はしたくない。複数の転職エージェントに登録する理由がしっくりとくれば、その気にもなれると思うのだが・・・。
転職エージェントをたくさん活用することになる理由
転職エージェントの選び方
唐突だが、理容室[美容室]を選ぶ時のことを想像してみたらどうだろうか。
あなたは新しい土地に移り住んできたとしよう、髪型にあまりこだわりが無ければ、直ぐに手近なところで済ませるかもしれない。ところが、こだわりがあれば、何軒か試してみる。
気に入った髪型にしてもらうためには、同じ店の中でも理容師[美容師]を選ぶことになるかもしれない。そしてあなたは訪れるたびに指名する。
選び方に関していえば、ざっくりと言えば転職でも同じ話なのだ。
転職先へのこだわり
あなたが仕事に就けさえすれば好いというのなら、転職エージェントはどこでも好い。或いは転職エージェントを使う必要さえないかもしれない。
求人情報の掲載されるメディアは、新聞の折り込み広告からウェブ広告、転職サイトと豊富にある。それらを活用すれば、転職は可能だろう。これは、自宅や精々たまたま最初に入った店舗で毎回、散発・整髪することと同じだ。
髪型なら、それ程こだわりの無い人は居るだろうが、転職先[勤務先]となるとどうだろうか。どこでも好いという人はあまりいないように思われる。あなたはきっと選りすぐりの転職先を求める筈だ。
転職エージェントは理容室[美容室]だ。気に入った髪型が得られるまで、こだわりを持って理容室[美容室]を探すように、転職エージェントも探す。
ただ残念ながら、転職エージェントが扱う「転職」は、理容室[美容室]が扱う「髪型」のように分りやすいものでは無い。
後の祭り
髪型なら仕上がったものに満足できればそれで十分だ。後日、もっと良い仕上がりの可能性が有ったことを知ったとしても、それに切り替えるだけで良い。他の髪型にすべきだったと過去を振り返って悔しがることもないだろう。だが転職となるとどうだろうか。
あなたが転職時に逃したより良い可能性の存在に気付いても、簡単には切り替えられないし、その時点では存在した選択肢が、気付いた時にも存在するとは限らない。
あの時、こうしていれば・・・。
と嘆いても後の祭りである。過去を振り返って悔しい思いをすることになる。それは長く続くかもしれない。
あなたは転職活動では、可能性は最大限に当たらなければならない。完璧というのは無理でも、「ここまでやったのだから」と後日、振り返っても、悔しさが込み上げない程度には、努力した方が賢明だろう。
そうなると転職エージェントは複数なんてものでは無く、一杯登録して数々の転職コンサルタントと会う。
転職コンサルタントが拓く可能性
或る転職コンサルタントが見い出すことのできないあなたの可能性を、他の或る転職コンサルタントは見い出すことができるかもしれない。また、或る転職コンサルタントの助けを借りて職務経歴書を完成させたとしても、別の或る転職コンサルタントのアドバイスで見違えるものになるかもしれない。可能性にはオープンであるべきで、可能性を常に探るべきなのだ。
あなたが語る過去の経歴も、転職コンサルタントによっては別の新たなストーリーとして語る術を教えてくれるかもしれない。これはでっち上げや盛っているということでは無い。あなたのこれまでの経歴を異なった視点で見ることで生まれる意味付けもあるということだ。
これらは過去に私が転職コンサルタントとの関わりから体験したことだ。
何度かの転職活動の際に、数多の転職コンサルタントと会って、もうサプライズはないだろうと思いつつサプライズに出くわした経験から言うのだ。
皆が皆キャリアを理解してくれるわけでは無い
ジョブローテーションや転職などで、職種転換の経験があったり、規模の異なる企業での経験が多いと、職務経歴を理解するのも容易ではない。
転職コンサルタントと雖も、経験とスキル次第では職務経歴を読み切れないことはざらなのだ。転職エージェントを使ったことがあれば、どうして自分に紹介されたのか分からない求人と遭遇することがあるだろう。
この場合、転職コンサルタントがあなたの経歴を理解しきれていないこともある。
高度に的確なマッチング
一方で、よくよく説明を聞くと、自分にピッタリだと感じることもある。転職コンサルタントのスキルが高く、高度なマッチングが行われた場合だ。転職コンサルタントが職務経歴を深く理解してくれているからこそ可能となる求人とのマッチングだ。転職エージェントを利用する醍醐味はここにある。
求人とあなたの的確なマッチングが難しいからこそ転職エージェントは存在するのだが、転職エージェントとあなたのマッチングもそれ程簡単なことでは無い。だからこそ、たくさんの転職エージェントに出会いを求めるのだ。
新たな転職エージェントとお付き合いを始めても、面談した転職コンサルタントの居る転職エージェントとは付き合いを維持した方が良い。転職コンサルタントにしても、転職希望者が転職エージェントを掛け持ち利用するのは常識だと認識している。と言うよりも、他の転職エージェントにも登録してくださいと勧められた。
率直に言えば、転職コンサルタントにして見れば、親身な対応を心掛けているものの、自分一人に頼られるのは重すぎるし、そもそもそこまでの責任は持てない。他の転職エージェントと掛け持ちしてもらうことで、共同責任は無責任では無いが、免責したいのだ。
転職エージェントの転職支援サービスとは、本質的には「できる範囲でサービスを提供する」と言うことであって、「あなたに合った仕事があれば、紹介する」というスタンスなのだ。当然のことを言っただけなのだが、要するにあなたの転職に責任を持つのはあなた自身に他ならない。
あなたは、あなたが使える転職エージェント※をうまく使って、あなたの職を成功に導かなければならない。
※ あなたが使える転職エージェントと言う部分が実は一番重要。一般的にあなたに紹介出来そうな求人をたくさん抱えている転職エージェントなら、あなたのことを大切にしてくれる、一方であなたに紹介できる求人を全く持たない転職エージェントだと通り一遍の扱いに終わる。
だから、遠慮は要らない。あなたは転職エージェントを使いたいように使って転職を成功させることだ。