転職活動を開始すると、先ずは職務経歴書の作成が当面の課題となる。
ざっくりと考え方を押さえておこう。
職務経歴書は、最終的に応募する企業に合わせて強調点などを微調整する必要が出るから、その前段階としての叩き台※を完成させる。
※ 叩き台と表現しているが、企業に提出する最終稿ではないという意味だ。転職コンサルタントに提出する以上、自分なりには完成させなければならない。本当に叩き台然とした書類を提出するのは失礼なこと。念のため断っておく。
微調整とは応募企業が求める採用候補像に近い人材として認識されるよう職務経歴に濃淡を付けて演出するということだ。
応募で企業に提出する最終稿となる職務経歴書は、転職コンサルタントの確認を経たものとなるが、叩き台を先ず或る程度は自力で作っておくことになる。
それはつまり先ず初めに転職コンサルタントと面談する際に必要となるからだ。
それに転職コンサルタントの手直しが入り、OKが出た段階で一応の水準に仕上がる。これが前述の叩き台だ。
「簡単」とは「楽」のことではない
簡単と銘打ったが、楽して職務経歴書を作成することはできない。
過去を振り返って記述するのは楽なことではないし場合によっては思い出したくないことも思い出さなければならないだろう。
先ず転職を成功させるという初心に立ち返って欲しい。
その為に必要なあなたにとって最高水準の職務経歴書を作成するための手引きを紹介したい。
簡単な作り方の「簡単」について
残念ながら、みなさんが期待していたような簡単さではないかもしれない。
既に断ったとおり、全く手間が掛からないような作り方やちゃちゃっと即席で作成できる方法は紹介出来ない。手品ではないからだ。
書類選考に耐える
楽を求めれば、あなたが必要とする水準の職務経歴書はできない。
単に応募するだけが目的ならば、作成できさえすれば好いかもしれないが、あなたは違う筈だ。
職務経歴書の使命
職務経歴書の使命は、あなたが書類選考に通過し、面接に突破し、内定をもらい、より良い条件で就業することを助けることだ。
だから職務経歴書の目的は、あなたの
「簡単」の意味について少し話すつもりだが、「簡単な作り方」というものにつまらない幻想を持っていないなら、直ぐに具体的な作成方法に入って欲しい。¶ 幻想に対する答えはパス
「簡単」
簡単の字義を確認する。
-
簡単
-
こみいっていないこと。取扱がたやすく、手数がかからないこと。
(岩波国語辞典 第六版)
字義に沿って「考えて転職」で意味する「簡単」について説明する。
職務経歴書の作り方の手順が明確で、どう作ればよいかに頭を悩まさず、淡々と職務経歴書の作成作業が実行できると云った意味である。
繰り返しになるが、職務経歴書の作成では、楽を求めたり、労を惜しんではいけない。
唯一のアピール手段としての職務経歴書
職務経歴書は、少なくとも書類選考段階で、あなたができる唯一のアピール手段である。
これに相応の
職務経歴書は心を込めて練り上げたい。
職務経歴書の簡単な作り方
一般的には職務経歴書及び履歴書からなる応募書類は、一度作ったらそのままずっと使い回すように考えれられているかもしれない。
応募の都度見直しは必要
確かに同業で同職種の求人案件に応募するならば、結果的に同じ内容の職務経歴書になることがあるかもしれない。
しかしながら、それは結果として同じになったのであって、初めから同じだと決めてかかってはいけない。
応募に際して職務経歴書が必要になった時、応募企業に提出する前に職務経歴書を見直すプロセスは決して省いてはならない。
職務経歴をデフォルメなく書き溜めたもの
応募ごとに職務経歴書を見直す前提に立つと、職務経歴書に盛り込むための内容が網羅的に用意されていると便利なことに気付く。
資料・素材
強調点が変わるごとに、取捨選択される項目が出てくる。取捨選択前の職務経歴の内容の項目すべてを漏れなく書き留めたもの、
一例を挙げると分かり易いだろう。
経理と人事の経験が半々だとしよう。この時、経理に応募する場合と人事に応募する場合に強調点が変わることは明白だろう。
デフォルメ
応募するのが経理なら紙面は経理により多く割く。経理の
職務経歴というマテリアルを意図を持ってデフォルメする。
職務経歴書を作成するに当たり、経理、人事を実経験に基づいて、何ら強調しないでフラットに書き記したもの(マテリアル)があるとうっかりしての書き洩らしなどが起こらず、便利だろうということだ。
マテリアルの作り方
ブレインストーミングを1人で行うと言ったら分かりやすいだろうか。
ブレインストーミングの4原則
- 判断・結論を出さない(結論厳禁)
- 粗野な考えを歓迎する(自由奔放)
- 量を重視する(質より量)
- アイディアを結合し発展させる(結合改善)
(wiki)
簡単に言えば、判断を交えず、思いつくままに、書き留めて行く。
内容にこだわらず、兎に角、書き出していく。
書き留めた内容を
こうすることで、想像力を制限することなく、多くのことを思い出すことが出来る。
花の山
あなたが携わった業務の中には、アピールできる宝がたくさん眠っている。でもその宝を掘り当てるのは思っているほど簡単なことではない。
或る時、突然、自分の経験していたことを思い出すこともある。
あなたが思い出さない項目は、職務経歴書に盛り込まれることは無いのだから心して取り掛かって欲しい。
ふと思い出したら、必ず書き留めること。失念したら元の木阿弥なのだ。
職務経歴書の完成
職務経歴書の簡単な作り方もいよいよ
職務経歴書の編集方針
職務経歴書を完成させるに当たって、編集方針が必要だ。つまり、職務経歴書で何を表現するかである。
これまで話してきたマテリアルに従って、あなたの「ありのまま」を何の目論見も無く表現するという方針もあり得るかもしれない。
しかしながら、応募書類として職務経歴書を考えた時、あなたの「ありのまま」の姿に、企業が求める部分にスポットライトを当ててフォーカスしていくのが良いだろう。
つまり思惑を持って編集する。このことを既に「意図を持ってデフォルメする」と表現した。
職務経歴書の推敲
職務経歴書の編集方針が定まったとして、直ぐに職務経歴書に反映させ完成させられるとすれば、かなりの
転職コンサルタントを活用せよ
そんな時、活用すべきは転職コンサルタントである。
転職コンサルタントも
だからこそ、転職エージェントにはたくさん登録しておいて、転職コンサルタントとのチャネルをたくさん持っておく。
転職エージェントは
だから
余談だが、転職エージェントを複数使うメリットはこれだけではない。あなたが紹介を受けられる求人数が多くなることも大きなメリットだ。
結果オーライで良い
最終的に、十全な職務経歴書ができていれば良い。
何回か応募し、職務経歴書を作るプロセスを踏むことで、あなたの職務経歴書作成能力は向上する。
その前に、転職が成功してしまえば御の字だ。
死角の存在
仮にあなただけで、職務経歴書を一応の形にすることができたとしても、転職コンサルタントの目を通して置くことに意味がある。思わぬところに落とし穴があるからだ。
何人かの転職コンサルタントからはOKをもらっていた退職理由に、或る転職コンサルタントは駄目出ししたなんてこともある。
表現を巡っての対話(会話)で、ハッとさせられることは日常茶飯事なのだ。
職務経歴書の推敲は、複数の転職コンサルタントの力を借りた方が、必ず良い結果が得られる。
-
推敲 -
詩や文章をよくしようと何度も考え、作り直して、苦心すること。
(岩波国語辞典 第六版)
以下でも職務経歴書の作成についてお伝えしている。
まだ転職エージェントに登録していない。或いはまだ十分でないのなら、早々に登録することをお勧めする。