転職活動には転職エージェントは必要不可欠な存在であることは分かった。(¶ 転職エージェント抜きでは勝負にならない)
でも、なぜ複数の転職エージェントに登録する必要があるのか、頭では分かった気がするものの腑に落ちない。そんな心境のあなたに答えよう。
複数の転職エージェントに登録する理由
先ずは本質的な理由。どこか或る特定の転職エージェントに登録し、転職コンサルタントと出会ったとしよう。
転職コンサルタントに求められる能力と資質は極めて高い
キャリアプラン、つまり差し迫った転職を含め、今後についての計画を相談する相手への要求水準は自ずと高くなる。
だから、初めに出会う転職コンサルタントが、あなたにとって十分な能力を持っている可能性は必ずしも高くはない。
あなたにとって
「あなたにとって」というところが重要だ。あなたの
それに理解するためには、業界に業種、職種やその内容について一通りの知識が無ければ、正しく理解することすら難しいのだ。
転職コンサルタントに必要とされる知識・経験は、転職希望者ごとに微妙に異なってくる。
それにひと言で転職市場の動向と言っても、有効求人倍率や求人数が前年比伸び率が高いの低いのといった統計数値を云々することに意味はない。
転職希望者一般を対象とした総論では無く、あなたにとってという個別的な求人動向が問題なのだ。
だから一般的に「○○業界の転職市場は活況です」と言っても、必ずしもあなたにとって意味があるわけでは無かったりもする。例えば、リーダークラスの需要があるのとマネージャークラスの需要があるのとでは、あなたにとって持つ意味は異なるはずだからだ。
転職情報に関するすべては、総論や全体論ではなく、あくまでも個別論、つまりあなたにとってどうかという観点で見なければならない。
転職コンサルタントから紹介される求人案件が、微妙なものであることが多いのも、的確な求人が見当たらないという理由だけでは必ずしも無い。
そもそも的確と判断している基準そのものが、確かとは言えないことも多いのだ。
転職コンサルタントに求められる資質
転職コンサルタントに求められる資質は、あなたにとってどうかという観点でどれだけ見られるか、そして、その精度をどこまで上げられるかに尽きる。
業界動向も転職市場動向も見極めは難しい
転職市場というか求人動向の見極めが難しいのは、同業種同職種でも、求められる内容が異なることがある。それに一つとして同じ求人はない。
企業の規模や成長度・成熟度で求められるものは変わるし、企業文化によっても変わってくる。
これから仕組みを作り上げていく段階の企業と既に仕組みの出来上がっている企業では、求める資質も変わってくる。
個別に求められるものも千差万別
技術職で言えば、精通している技術の小さな差異で、同じ職務経験があるように見えても、一方は求人に該当、もう一方は該当しないなんてこともあるだろう。
更に将来に求められる技術やスキルの見極めも必要になる。
あなたが技術職で、この話が該当するとすれば、この点に付いて恐らくは私より詳しいだろうからこのくらいにしておく。
技術職で無くとも、同様のことは形を変えて起こる。
あなたを的確な求人案件と引き合わせ するための必要条件
ざっと見て来たが、あなたのことを理解すること、あなたの
そうは言っても、これらは、あなたを的確な求人案件と
ここに挙げた転職に関わる様々な情報について、あなたもあなたに該当する分野の知識はあるだろう。
転職に繋げて考える場合に於いては、少なくともあなたと同等の造詣や見識を転職コンサルタントには期待したい。
さもなくば、転職支援の肝とも言うべき「求人案件と転職希望者の的確な
転職コンサルタントというからには、要求される水準が殊の外高いことは当然と言えば当然なのだが、十分に理解されたことと思う。
転職活動に完璧主義は馴染まない
求人案件と転職希望者の的確な
なぜならば、多少のズレはあろうとも求人は紹介されるわけだし、転職コンサルタントも懸命にあなたに合った求人を紹介しようとする。
その中で、あなたが就職したいと思う企業に出会えることが多いのだ。
特に非公開求人であれば、転職エージェントを利用しなければ出会えていないのだからそれだけでも十分に利用価値があると言えよう。
転職活動は時間との勝負でもあるから、必ずしも的確な
同時に、新たなる転職エージェントへと手を拡げて行く。
転職活動では不確定要素も大きいので、オールオアナッシング(all or nothing)ではなく、基本的には有り(all)を前提として手広く活動するのが好ましい。
つまり、登録済みの転職コンサルタントのお世話になりつつも、新たなる出会いを求めるということだ。
転職コンサルタントには数当たるべし
実際のところ、なんとか及第点という水準の転職コンサルタントには、比較的容易に出会えるのだけれども、これぞ転職コンサルタントという転職コンサルタントに出会うのはなかなか難しいかもしれない。
及第点も満たしていない転職コンサルタントも無数に存在するのだ。
だから転職エージェントには意欲的に登録し、何人もの転職コンサルタントに会う。
期待の持てる有望な転職コンサルタントに出会うと、他の転職コンサルタントにも会ってみたくなる。それは転職コンサルタントとの出会いが可能性を拡げることを体感できるから。
だから案外、転職エージェントは一社で十分じゃないかと考えている転職希望者は、転職コンサルタントとの出会いに恵まれなかった人の方かもしれない。
それならば、既に負のスパイラルに陥っていることを意味するから警戒が必要だ。
転職エージェントに複数登録する理由として、的確な求人案件との
続いては的確な
求人情報は多ければ多いほど選択肢は広がる
取り扱い求人総数10万件の転職エージェント甲社に登録、続いて取扱求人総数8万件転職エージェント乙社に登録、併せて18万件が対象になるということにはならない。
察しの通り、取り扱い求人には重複もあり、かなりの数の求人が
しかしながら、だから、転職エージェントを複数登録することに数の上でのメリットがないという結論にはならない。
実際のところ、公募もされている公開求人、多くの転職エージェントでは、取り扱い求人数の八割を占める非公開求人、共に重複した求人はかなりある。
それなら、何処にわざわざ両社に登録する理由があるのだろうか。
重複していない求人が有るから・・・勿論、それも間違いではない。
だが、それなら敢えて問うたりするだろうか。それが答えだとするならば愚問だ。
答えには二つの理由がある。
一つは既にお話した転職コンサルタントに求められる資質の問題に繋がりがある。もう一つは、独占案件の存在だ。
独占案件
「重複していない求人」ということにはなるが、独占案件は、特筆すべき存在だ。
非公開求人は、一般公開されていない、公募されていないということで、複数の転職エージェントが取り扱っているのが普通だ。ところが、独占案件となると或る特定の転職エージェントだけが取り扱っている。
何故、特筆すべきかというと、公開求人や一般の非公開求人に比べ、競争率が低くなる。また、求人企業が特定の転職エージェントに依頼するということから、転職エージェントと求人企業のより緊密な
要するに、転職エージェントが取り扱う求人案件の中でも特別な存在なのだ。
但し、独占案件と
あなたを推薦したからと言って、あなただけを推薦しているわけでは無い。これまでの推薦状況は確認すれば、教えてくれるだろう。そしてその時点で紹介しようと考えている転職希望者の数などについても。
いずれにしても通常より期待度は高くなるので、独占案件が紹介されたら、是非前向きに検討されたい。
転職エージェントの保有求人が必ずしも紹介されるわけでは無い
続いて先程、転職コンサルタントに求められる資質と繋がりがあると触れた理由である。
同じ求人案件があったとして、或る転職エージェントからは紹介を受けるが、別の転職エージェントからは紹介を受けないということが起こり得る。
これはクライアント企業(求人企業)から求人を預かる段階から始まっている。転職エージェントによっては、転職コンサルタントが直接クライアント企業に出向く※が、クライアント企業担当が別に居る※※こともある。
※ 両面型(一貫型)転職エージェント ※※分業型転職エージェント (¶ 転職エージェントの種類)
転職エージェントが求人案件を預かる時点で、案件の内容が全く同じものには見えない可能性が存在する。
他にも、あなたを担当した転職コンサルタントが、あなたに
単純で分りやすい求人であれば、複数の転職エージェントから重複して紹介されるかもしれないが、適性判断が難しい求人だと、保有している求人情報の中に有っても、あなたに紹介する転職エージェントと紹介しない転職エージェントがでてくるだろう。
従って、存在する求人、転職エージェントが預かっていて、あなたに合った求人案件が、もれなくあなたに紹介されるよう転職エージェントは複数に登録しておくのである。
細かく説明してきたが、実際のところ難しく考えなくても、転職エージェントには数多く登録しておけば、その分だけ数多く求人を紹介してもらえると理解しておけば足りる。
結論を言えば、転職エージェントの登録、利用では労を惜しんではいけないということだ。
面談を面倒だと考えるのは以ての外である。(¶ 可能なら必ず会いに行く|転職コンサルタントとの面談の重要性)
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